またしてもかなり間が空いてしまいました。
会計事務所は確定申告業務が終わったと思ったら少し間をおいて今度は3月決算の法人の申告の業務が待ち構えています。
私の事務所では遅ればせながらこの3月決算の法人の申告業務から地方税の電子申告(eLTax)を全面的に導入することにしまして、想像していた以上に業務の効率化を図ることができた(もっと早く導入していればよかったと後悔することしきりです)のですが、それでもやはりギリギリになってしまいました。更新に間が空いてしまったのはそのことが理由なのかもしれません。(やろうと思えば出来たかも?)
法人税の申告期限は決算期末日の翌日から2ヶ月以内と定められています。従いまして3月決算の法人は申告期限が5月末になります。但し法人税の申告は決算が確定していないと出来ません。
決算は株主総会の承認を経ないと確定しませんので例えば3月決算の上場企業などでは6月末の株主総会を経ないと税務申告書は提出出来ないことになります。このような場合は事前に税務署に申告期限の延長の届け出を出す(1ヶ月の延長が可能)ことで対応しています。そもそも会社法では株主総会の開催は決算日の翌日から3ヶ月以内に開催するものと定められていて税法とは異なっているからこのようなことになるという訳です。上場企業等は公認会計士の監査も受けないといけませんから1ヶ月期限が伸びるというのはありがたいようにも見えますが、実際はとてもじゃないけどその程度では時間が足りないくらいですが。
申告期限の延長の届け出を出した場合でもあくまでも法人税の納期限は決算日の翌日から2ヶ月以内であることに気をつけないといけません。申告期限の延長の届け出を出した場合その延長期間に対して「利子税」というものが課せられます。「延滞税」と異なるのは事前に届け出をした場合に課せられるものである、という点です。(国からお金を借りている、という解釈→それに伴う利息、ということ)またこの「利子税」は損金算入(税法上の経費として認められる→延滞税は「ペナルティ」の意味合いが強いため損金不算入)が出来るのですが、かなり税率が高いので、出来ることなら本来の納付期限である決算日翌日から2ヶ月以内に納付してしまう方がいいと思います。(予定納税的な意味合いになるのだがその金額が確定税額に等しければそれで結果オーライで済むことになる)
あと気をつけないといけないのは消費税(及び地方消費税→以降「消費税等」)の申告には申告期限の延長の手続きは認められていないということです。従って消費税等は決算日の翌日から2ヶ月以内に申告・納付しないといけないということです。先述の法人税の納付の話等も総合して考えると法人税の申告期限の延長の届け出を出していても結局は税務申告業務は決算日の翌日から2ヶ月以内には数字を確定させておかないといけないということになるんですね。
・・・実はここまでの話は今回したかった話ではなかったりします。
今回お話ししたかったのは会社の決算は本来いつでもいい、ということです。つまり別に3月決算でなくても構わない、ということなんです。
実際私の事務所の得意先でも決算月はバラバラです。意外に思われる方も多いかもしれませんが、決算月はこの月でないとだめ、なんて法律のどこを見ても書いていないんですよね。(例外はもちろんあって例えば銀行は銀行法で3月31日が決算日と定められている)それでも私の事務所の得意先でも3月決算の会社が一番多いのはやはり世間では3月決算が圧倒的に多いという流れを受けてのことでしょうか。
ちなみに小売業では2月決算が多かったりその昔は商社は8月決算が多かったという具合に業種によってある時期に決算が集中するという現象が見受けられます。(小売業や商社がこの時期に決算を組むのは流通の閑散期になるから→いわゆる「ニッパチ」という奴です)また外資系の会社では12月決算の会社も見受けられます。欧米の会社が12月決算のところが多いからと言われます。
あと以前聞いた話ですが、インドでは法律で税務申告の期間が4月から3月と定められているのだそうです。(決算期に関しては日本同様法律の定めはない・・・が3月以外を決算期にしてしまうと決算と税務申告を別々に行わないといけなくなる)インドの会計士はある意味季節労働者みたいなものなのでしょうか・・・。
先述の通り私の事務所では3月決算の会社が多いのですが、全体的に見ればかなり決算期はばらけているように思えます。決算期がいつでも構わないことをご存じの方で法人設立から関与を始めた時に「先生の都合のいい時に決算期を設定してもいいですよ」と言って下さる方がおられましたが、正直いつでもあまり変わらないような気がします。本当にありがたい話ですが、何やかんやで毎月ドタバタしていますので・・・。
まあ敢えて言うなら3月とか12月(ここも結構多い→確定申告業務の時期と重なりますし)以外ならいつでもいいのかなあ、というのが本音ですが、実際は何とでもなりますのでお客様に合わせるというのが第一ですね。